問題解決

匠のミラー

ミラー

コールドミラー

  • 発熱対策として導入したいが、反射性能(可視光の反射率と赤外の透過率を両立)のバランスが難しい
  • 波長依存性による色味の変化や光ムラを抑えたい。
  • 入射角の変化による特性劣化
    → 搭載する機器によっては、使用角度が固定できず反射・透過率が不安定に。
  • 自動車や屋外機器は特に、高温・結露・紫外線など厳しい条件での長期耐久性が必要。
  • 海外製品の調達リスクと短納期対応の難しさ
    → 設計変更や試作依頼、追加発注に迅速対応できず、開発スケジュールに影響。
解決!「コールドミラー」のチャート
※設計例であり、保障値ではありません。

匠のポイント

  • 光を反射しつつ熱は逃す、賢い光学部品-コールドミラーとは?

    コールドミラーは、可視光(およそ400〜700nm)を反射して、赤外線(700nm〜)を透過させる特性を持つ光学部品です。その秘密は「誘電体多層膜」という非常に薄い膜の重なりにあります。高屈折率材と低屈折率材を何十層もガラス基板などに積み重ね、光の干渉現象を活用します。こうすることで、「見える光」はしっかり反射して、熱の原因となる赤外線だけを透過して外へ逃がすという、賢い特性を実現しています。

    名前だけ聞くと少し冷たそうなイメージがありますが、実は光学機器やプロジェクター、デンタルミラーなど、私たちの暮らしを支える大事な技術です。誘電体多層膜は耐熱性や耐候性に優れているため、装置内部の温度変化や長期使用による特性変化を抑え、製品の安定性を支える重要な役割を果たしています。

    ミラーとして可視光をしっかり反射しつつ、照射部の温度上昇を防ぐために近赤外線を透過させる――そんな特殊な光学コーティング技術によって、映像品質や作業環境の快適性を両立しています。

  • コールドミラー検討時のポイント~まず3つ抑えてください。

    ✅1. 使用波長帯を明確にする
    まず最も重要なのは、光源の発光特性や装置の設計要件に応じて、必要な反射・透過波長帯を正確に把握することです。例えば、プロジェクターや医療用照明の場合は可視光域(約400〜700nm)を高効率で反射し、熱の原因となる近赤外線(約700〜1200nm)を透過させる設計が一般的です。波長設計を誤ると、光学性能や温度制御に大きく影響を与えてしまうため、使用する光源の波長分布を詳細に確認することが重要です。

    2. 反射率・透過率の設計値を最適化する
    次に、必要とされる反射率・透過率の数値を具体的に設定します。例として、可視光域で90%以上の高反射率、赤外域で90%以上の高透過率を目指すことが多いですが、装置の設計目的や光源の種類によっては最適値が異なります。設計初期段階で目標値を明確にすることで、膜構造を最適化し、無駄な調整や試作コストを削減できます。基板の特性並びにお客様の要望に合わせた設計を行いますので、お問い合わせ時に、基板種や波長帯をお伝え下さい。

    ✅3. 入射角条件を考慮する
    コールドミラーの反射・透過特性は、光の入射角によって変化します。設計時には、使用環境での入射角が固定されているのか(例:45°設計)それとも可変かを確認し、それに応じた膜設計を行うことが重要です。短焦点プロジェクターなど、広角での使用が想定される場合は、角度依存性を抑えた設計が求められます。

  • 部品形状対応も可能

    基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。

  • 万全の品質保証体制 

    成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。

  • 安全・安心な製品設計

    当社では、人体や環境に有害な物質は一切使用しておりません。安全性にも配慮した製品設計を徹底しております。カスタム設計のコールドミラーに関するご相談は、ぜひ安達新産業へ。長年の経験と実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。

用途例と今後の展望

用途例

🔧産業機器:レーザー光学系、赤外線除去による加熱抑制
🏠家電:プロジェクター、照明機器、撮影用照明
🚗自動車:HUD(ヘッドアップディスプレイ)、車載ディスプレイ
🧪医療装置:医療機器用の光源反射鏡等(デンタルミラーなど)

今後の展望
  • EV・自動運転車向けHUD(ヘッドアップディスプレイ)分野では、さらなる高性能化・軽量化への対応が加速
    より広視野・高解像度化に合わせて、角度依存性の低減や曲面基板対応など、高度で柔軟な膜設計が求められています。

  • 高輝度プロジェクターや短焦点投影用途では、多様な設置角度や投影条件に対応する設計が重要に
    コンパクト化と高輝度を両立させながら、内部の熱負荷を効率よく排出し、装置全体の信頼性向上に貢献します。

  • AR/VRデバイス向けには、長時間使用や屋外使用を想定した高耐久・高性能な薄型コールドミラーの需要が拡大
    熱耐性や軽量性に優れた設計により、次世代の小型デバイス開発を支えます。

  • 医療機器分野でも、安全性と快適性を両立した光学系への期待が増加
    特に手術用照明やデンタルミラーなどで、照射部の温度上昇を抑えながら高演色性を実現する設計が重視されています。患者様・医療スタッフ双方の負担軽減や診療精度の向上に貢献できる技術として注目されています。

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