問題解決

匠の紫外線

紫外線バンドパスフィルター(BPF)

高精度な紫外線の波長制御で広がるUV応用の可能性

近年、紫外線(UV)技術の発展により、より正確で効率的な波長制御が求められるようになっています。その中でも重要な役割を果たしているのが、バンドパスフィルター(Band Pass Filter)です。特に紫外線領域での波長選択は、センシングや光学分析、殺菌用途、微細加工などでの応用が急速に広がっており、注目を集めています。

紫外線バンドパスフィルターとは?

バンドパスフィルターとは、多層膜構造によって光の干渉を制御し、ある特定の波長範囲(バンド)の光だけを透過させ、それ以外の波長をカット(反射または吸収)する光学フィルターです。そのため、「選択的透過フィルター」とも呼ばれています。たとえば、260nmの紫外光のみを通したい場合、バンドパスフィルターを通すことで他の可視光や赤外線、さらには隣接する紫外線の不要な波長も排除し、目的波長のみをピュアに取り出すことが可能になります。

安達新産業では、これまで主に可視〜近赤外域のバンドパスフィルターにおいて多くの製品実績と信頼を築いてきました。特に、シャープなスペクトル形状と高透過率を両立したフィルター設計には定評があります。現在はその技術をさらに発展させ、紫外線波長領域(UV-A、UV-B、UV-C)における高性能バンドパスフィルターの開発にも積極的に取り組んでいます。紫外線は波長が短く、膜設計・材料選定・成膜精度などに高い技術が求められる領域ですが、当社では干渉制御技術と成膜ノウハウを活かし、難易度の高いフィルター開発に挑戦しています。

安達新産業 紫外線バンドパスフィルターの特徴

  • 優れた紫外線透過特性を実感してください。

    多層膜を形成して、その干渉作用により、紫外線を透過するフィルターです。UV-C、UV-B、UV-Aの波長帯域に至るまで、優れた透過率を実現します。但し、紫外域を透過できる=成膜可能な基板(石英など)が限定されますので、事前に確認が必要となります。ご利用される基板の特性を利用し、設計を行う事で最適なフィルターを実現致します。

  • ご希望の基板や、波長帯域に合わせたカスタム設計

    ご使用の基板材質や特性を考慮した光学設計により、フィルター性能を最大限に引き出します。材料特性を活かした設計で、効率的かつ高精度な成膜を実現します。また。お客様が必要とする透過波長域に加え、遮断(阻止)波長域の制御も含めた、完全オーダーメイド設計に対応。光の選択性が求められる用途に最適なバンドパスフィルターをご提案いたします。※特に斜め入射時には波長シフトが発生するため、角度依存性にご注意ください。

  • 部品形状への対応も可能

    基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。

  • 万全の品質保証体制

    成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。また、すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。

想定される応用用途は?

測定器

分光光度計、原子吸光光度計、半導体膜厚測定装置、共焦点顕微鏡、DNAシーケンス、フローサイトメトリー、紫外線異物検知

医療

抗ウイルス・除菌用紫外線照射装置、眼球の研磨・矯正、血管の血栓除去、皮膚表面のシミ取り

微細加工

リフトオフ装置(半導体露光用)、表面改質、親水化処理処理(濡れ性向上)、レーザ加工装置(液晶パネルのアニーリング工程)、インクジェット式プリンター、ウェーハ洗浄、UV硬化装置(光学部品等の接着、液晶パネル周辺の接着)

殺菌処理

医療用、飲食用、オゾン発生効果

今後の展望

紫外線は「殺菌・洗浄・分析・加工・センシング」など多様な機能を有し、今後も新しい応用が広がることが期待されます。その中で、波長選別の精度がUV応用の品質を左右する場面は確実に増えていくでしょう。安達新産業では、これからも紫外線領域におけるバンドパスフィルターの研究開発を進め、より高精度・高耐久なフィルターソリューションを提供してまいります。特定波長の紫外線を選択的に取り出すニーズがございましたら、ぜひご相談ください。用途・波長帯・設計仕様に応じたカスタム対応も可能です。

 

ご提案ラインナップ

最適な光学特性や、加工方法をご提案いたします