問題解決

匠の赤外線

ミラー

近赤外線反射ミラー 波長:1064nm

  • 高出力レーザー光によるコーティング損傷や熱的劣化が心配
  • 反射率スペックは高いが、入射角や偏光条件による性能変動が不安
  • 長期運用での反射率低下や膜面の変色・汚染リスクを最小化したい
  • 使用波長1064nmに最適化したミラー設計・実績の有無が知りたい
  • 高出力用途で必要な高いレーザーダメージ閾値(LIDT)の保証が欲しい
  • 基板材質やサイズ、形状など装置仕様に合わせたカスタマイズ対応の可否
解決!「近赤外線反射ミラー 波長:1064nm」のチャート
※設計例であり、保障値ではありません。

匠のポイント

  • 優れた赤外線反射特性

    1064nmミラーは、一般的にYAGレーザーなどの固体レーザー用として最適化された反射ミラーです。当社では、誘電体多層膜(高屈折率材と低屈折率材を交互に積層)を用いて、中心波長1064nmで99%以上の反射率を実現しています。多層構造は数十層に及ぶ精密設計で、膜厚精度はナノメートル単位で管理。これにより、反射率の波長依存性・入射角依存性・偏光依存性を最小化しています。

    さらに、当社独自の成膜プロセスと後処理により、高いレーザーダメージ閾値(LIDT)を確保。高出力レーザーでも膜面の損傷を抑え、長期間安定した性能を維持することが可能です。基板には熱膨張の小さい合成石英や低熱膨張ガラスなどを採用し、温度変化による歪みや偏心を抑制しています。

  • ご要望の波長帯での設計・カスタマイズが可能

    お客様のご要望の波長領域に合わせた設計・成膜(コーティング)が可能です。基板の特性並びにお客様の要望に合わせた設計を行いますので、お問い合わせ時に、基板種や波長帯をお伝え下さい。1064nmミラーの性能を最大限に引き出すためには、基板材質や構造に応じた最適な成膜設計が欠かせません。当社では、ガラス・石英・サファイアなど多様な基板に対応し、それぞれの熱膨張係数や表面特性を考慮した薄膜設計を行っております。

  • 部品形状対応も可能

    基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。

  • 万全の品質保証体制 

    成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。赤外領域の分光特性測定が可能なFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を完備。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。

  • 安全・安心な製品設計

    当社では、人体や環境に有害な物質は一切使用しておりません。安全性にも配慮した製品設計を徹底しております。カスタム設計の近赤外ミラーに関するご相談は、ぜひ安達新産業へ。長年の経験と実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。

用途例と今後の展望

用途例

1064nmミラーは、特に以下のような高出力かつ高精度を要求される用途で使用されています

YAGレーザー加工機・溶接装置のビーム誘導・集光系
精密測定装置や干渉計における基準ミラー
医療用レーザー装置(1064nm帯を用いる皮膚治療など)
科学実験装置・ラボ用光学系での高反射ミラー
✅光パワーモニタリングやビームスプリッタ用反射面

高出力・長期安定性・高反射率の三拍子が要求され、当社の誘電体多層膜技術と精密成膜管理がその課題を解決しています。

今後の展望

今後はさらに高出力化・高繰返し周波数化が進むレーザー分野に対応するため、従来の多層膜に加えてナノラミネート構造や低吸収材の採用などにより、より高いLIDTを実現する技術が求められています。また、AR/VRや医療分野など新しい波長帯域への展開に向け、可変反射率や波長選択性を付加したハイブリッド設計も注目されています。安達新産業株式会社では、これらの次世代ニーズに応える製品開発を進め、高出力レーザー市場だけでなく幅広い光学応用分野で価値を提供してまいります。

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