問題解決

匠の紫外線

AR(反射防止膜)

紫外線反射防止膜(AR) 波長:248nm

  • 高エネルギー光への耐久性
  • 膜材の選定と透過率の最適化
  • 光学系全体での反射低減設計など装置構成に合わせた対応が必要。
  • 環境耐性(湿度・温度・UV照射)についての懸念
  • 膜厚管理と量産再現性。膜厚分布やロット間バラツキへの不安。
  • コストと性能のバランスに困っている。
解決!「紫外線反射防止膜(AR) 波長:248nm」のチャート
※設計例であり、保障値ではありません。

匠のポイント

  • 248nm対応AR膜が拓く微細加工と検査の未来

    紫外線反射防止膜(ARコーティング)248nm対応タイプは、主にKrFエキシマレーザー(波長248nm)用に設計された特殊な光学薄膜です。この波長域は、半導体リソグラフィ装置をはじめとする微細加工、精密露光、表面処理など、高いエネルギー密度を必要とする先端産業で重要な役割を果たしています。

    可視光や近赤外用のAR膜と比較して、248nmという深紫外域では光子エネルギーが非常に高く、通常の膜材料では吸収や損傷を受けやすいという課題があります。そのため、248nm用AR膜の設計と製造には、より厳格な条件が課されます。具体的には、紫外域でも低吸収率を維持できる酸化物系材料を選定し、これらを高密度かつ均質に成膜する技術が不可欠です。また、248nmの波長特性に合わせて、単層膜による狭帯域ARから多層膜による広帯域ARまで、用途や装置の設計条件(入射角度や光学構成)に応じて最適化します。

    さらに、KrFレーザーの高パルスエネルギーや長時間稼働に耐えられるよう、レーザー照射による光学損傷を抑制するための高密度かつ低欠陥膜を形成する技術も重視されます。このため、真空蒸着、イオンアシスト蒸着、スパッタリングなどの先端成膜技術を駆使し、均一性、密着性、耐久性に優れた膜を実現します。こうした取り組みにより、248nmにおいて反射率を最小化し、高透過率と長寿命を両立させることが、紫外線AR膜の主な目的であり、光学系全体の性能向上や安定稼働を支える重要な要素となっています。

  • ご要望の波長帯での設計・カスタマイズが可能

    お客様のご要望の波長領域に合わせた設計・成膜(コーティング)が可能です。基板の特性並びにお客様の要望に合わせた設計を行いますので、お問い合わせ時に、基板種や波長帯をお伝え下さい。特に紫外線反射防止膜(AR)フィルターの性能を最大限に引き出すためには、基板材質や構造に応じた最適な成膜設計が欠かせません。当社では、ガラス・石英・サファイアなど多様な基板に対応し、それぞれの熱膨張係数や表面特性を考慮した薄膜設計を行っております。

  • 部品形状対応も可能

    基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。

  • 万全の品質保証体制 

    成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。

  • 安全・安心な製品設計

    当社では、人体や環境に有害な物質は一切使用しておりません。安全性にも配慮した製品設計を徹底しております。カスタム設計の紫外線ミラーに関するご相談は、ぜひ安達新産業へ。長年の経験と実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。

用途例と今後の展望

用途例

🟦半導体リソグラフィ用レンズ・窓材
248nm光源の透過系部品にAR膜を施し、反射によるゴースト・フレアを抑制。

🟦微細加工装置のビーム導光用部材
加工対象物に安定して光を届けるため、ビーム経路中のレンズ・保護ガラスに。

🟦紫外分光・検査装置
UV域の計測感度向上、不要反射除去によるS/N比改善。

🟦露光装置・光学スキャナー
反射防止によって光量ロスを減らし、エネルギー効率を向上。

今後の市場展望

✅半導体・電子デバイス微細化の継続
248nm KrFレーザー装置は量産ラインの一部で根強く使われ続けるため、交換部品・保守需要は継続。

✅高出力・高繰返しKrFレーザーへの対応
装置の高性能化で、AR膜にもさらなる低反射・高耐久が要求される。

✅加工・検査装置分野への展開
FPC、ディスプレイ、光学部品などの微細加工やUV検査の用途で新規需要が拡大。

✅環境負荷低減と長寿命化
部品交換頻度削減によるトータルコストダウン、省エネ装置設計への貢献。

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