匠のミラー

金属ミラー
金ミラー
- 金ミラーの反射波長帯によって性能が大きく異なり、用途に最適な仕様を選ぶために技術的判断が必要。
- 膜厚精度、均一性、接着強度、表面粗さなど品質パラメータに差があり選定に困る。
- 高純度金を使う光学部品は製造工程が複雑で、部材調達の影響も受けやすい。
- 金原価の変動や製造設備の精度によって価格差が大きく、価格比較が単純にはできない
- 波長帯や入射角特性などが要求と合致せず、リスクや再発注のコストが発生する。
解決!「金ミラー」のチャート

匠のポイント
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赤外域に強みを持つ、安定性と高反射の金ミラー
金ミラー(Auミラー)は、貴金属「金(Au)」を反射膜材料とする光学素子であり、赤外線スペクトル域(800 nm〜2µm)において極めて高い反射率(>96%)を発現する反射型光学素子です。金の自由電子密度の高さとプラズマ周波数の特性により、赤外域において理想的な反射挙動を示し、かつ化学的安定性に優れるため、環境耐性を兼ね備えた光学部材として広く活用されています。
✅高反射率特性:800 nm〜2µmの波長域で平均反射率96%以上
✅入射角依存性が低い:広範囲の角度で安定した反射性能を維持
✅耐環境性:高温・高湿度環境でも膜特性が劣化しにくい
✅成膜安定性:蒸着後の膜厚変動が少なく、再現性が高い -
部品対応も可能
基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。
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品質を支える測定と管理体制
全品、出荷時に反射特性を示す測定チャートを添付していますので、安心してご使用いただけます。また、成膜から検査に至る全工程を、適切なクリーン度を保ったクリーンルーム内で実施。微小な膜欠陥や異物混入を防ぐ体制を徹底しています。
用途例と今後の展望
- 用途例
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🟡産業用FAセンサー
赤外温度センサーや非接触測定装置において、反射精度と膜耐久性が重要。保護膜付きタイプが多用される。🟡赤外分光・干渉計測
金の高赤外反射率(800 nm〜20 µm)を活かし、FTIR(フーリエ変換赤外分光)や干渉計に使用。反射波面精度が重要。🟡レーザー光学系
CO₂レーザー(10.6 µm)や中赤外レーザーのビーム誘導・反射に使用。高損傷閾値と低吸収が求められる。🟡医療用赤外診断装置
非侵襲型赤外診断(皮膚温度分布、血流測定)において、安定した反射特性と耐薬品性が求められる。🟡宇宙・航空光学系
赤外線望遠鏡や衛星搭載センサーにおいて、真空・高温環境下での反射安定性が評価される。🟡自動車HUD・センサー
赤外域での反射を利用したヘッドアップディスプレイやLiDARの光学系に使用。広角反射特性が求められる。
- 今後の展望
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金ミラーは、主に中赤外線から遠赤外線領域において優れた反射特性を持ち、さらに高い耐食性・耐腐食性を有するため、医療機器、センサー、宇宙・防衛分野などの過酷な環境下での光学系に欠かせない光学部材として位置付けられています。
✅高耐環境性・長寿命化技術の強化
宇宙や防衛、医療用途における極端な温度変動や化学腐食への耐性を向上させるため、金薄膜の表面改質技術や、保護膜を用いずとも優れた耐久性を確保する成膜プロセスの開発が進展しています。これにより、メンテナンスコストの削減と信頼性の向上が期待されます。✅薄膜成膜技術の高度化と微細加工適応
ナノメートル厚みでの均一な金膜成膜技術の改良により、波長制御や光干渉効果の精密調整が可能になり、センサーや光学フィルターなどの高機能化が進みます。また、微細パターン形成への対応も強化され、マイクロ・ナノ光学デバイスへの適用が拡大します。✅高出力レーザー対応の耐レーザー損傷性向上
レーザー加工や医療レーザー分野での高出力化に対応するため、金ミラーの耐レーザー損傷閾値(LIDT)を高める成膜・熱処理技術の研究開発が加速しています。これにより、高出力レーザー光路における信頼性が向上します。✅複合材料・基板との統合技術の発展
金ミラー単体だけでなく、曲面基板や柔軟基板などへの成膜適用範囲拡大が進んでいます。特にウェアラブルデバイスや次世代光学系向けに、異種材料との界面安定化技術や密着性向上技術が注目されています。これらの技術革新により、金ミラーは従来の赤外線光学用途に加え、より過酷で複雑な環境下での応用が広がり、医療、通信、防衛、宇宙、次世代光デバイスなど多岐にわたる産業分野での重要性がさらに増すことが見込まれます。
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