匠の紫外線

紫外線用ミラー
UV領域での高反射率と耐久性を両立
光学用ミラーは、照明・画像処理・センシング・レーザー機器など、あらゆる分野で活用されており、光を効率よく制御するために欠かせない要素です。特に紫外線(UV)領域の光を扱う機器では、高反射率・低損失・高耐久性を兼ね備えた反射ミラーが求められます。安達新産業では、光学薄膜製品の中でもミラーを重要な位置づけとし、紫外線から赤外線まで広範囲な波長域に対応する高性能ミラーの開発・製造を行っています。
安達新産業の紫外線ミラーは、多層の誘電体膜を用いた干渉構造により、特定波長において高い反射率を発揮します。たとえば、248nmといった深紫外波長域においても、選定した材料と精密成膜技術により反射率を大幅に向上させることが可能です。さらに、誘電体多層膜は光吸収が少なく、膜の損耗が抑えられるため、耐環境性・耐レーザー性に優れた仕様が実現できます。
紫外線ミラーの役割とは?
✅紫外線の高効率な反射
紫外線領域(UV-A、UV-B、UV-C、特に深紫外DUV:200nm以下)の光は、一般的な可視光用のミラーでは十分に反射できません。紫外線ミラーは、特定のUV波長に最適化された膜構造(誘電体多層膜や金属膜)を用いて、高反射率(90%以上)を実現します。
✅光の経路制御
レーザー光学系や分析機器では、光を正確な角度や位置に反射・誘導する必要があります。紫外線ミラーは、光学系の中でプリズムやレンズと同様に、光の進行方向を制御する重要な役割を果たします。
✅エネルギー損失の低減
紫外線光源の多くは高出力・高エネルギーです。反射効率が低いと、熱や散乱によるエネルギーロスが発生します。高反射ミラーを使うことで、レーザー出力や測定精度を損なうことなく、光を最大限に活用できます。
✅機器・素材の保護
紫外線は物質に対して強い影響を及ぼすため、必要な場所以外に紫外線が漏れると、機器や素材を劣化させる恐れがあります。紫外線ミラーは、不要な方向への紫外線の拡散を防ぎ、安全性と耐久性を確保するのにも役立ちます。
優れた反射特性を実感してください。
-
優れたUV反射特性
測定機や検査機器、医療機器は、反射率の高いミラーが要求されます。例えば248nmの波長帯に対して、誘電体を多層成膜することで、高い反射率を実現致します。また、誘電体を多層に積層し制御する事で、反射する際の光量の損失が少なく、耐久性に優れた性能を実現できます。但し、紫外域を透過できる=成膜可能な基板(石英など)が限定されますので、事前に確認が必要となります。ご利用される基板の特性を利用し、設計を行う事で最適なフィルターを実現致します。
-
ご希望の基板や、波長帯域に合わせたカスタム設計
ご使用の基板材質や特性を考慮した光学設計により、ミラー性能を最大限に引き出します。材料特性を活かした設計で、効率的かつ高精度な成膜を実現します。また。お客様が必要とする反射波長域に、完全オーダーメイド設計に対応しています。※ただし、反射率は入射角に依存するため設計時の考慮が必要です。
-
部品形状への対応も可能
基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。
-
万全の品質保証体制
成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。また、すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。
想定される応用用途は?
- 微細加工
-
リフトオフ装置(半導体露光用)、表面改質、親水化処理処理(濡れ性向上)、レーザ加工装置(液晶パネルのアニーリング工程)、インクジェット式プリンター、ウェーハ洗浄UV硬化装置(光学部品等の接着)等
- 測定器
-
分光光度計、原子吸光光度計、半導体膜厚測定装置 共焦点顕微鏡、DNAシーケンス、フローサイトメトリー
紫外線ミラーは、紫外線を扱う光学システムにおいて不可欠な部品であり、高反射率・高耐久性・精密な波長制御が求められます。安達新産業では、UVミラーに求められる性能と用途に応じた最適な反射膜設計と成膜技術をご提案できます。ご検討中の装置や用途がありましたら、お気軽にご相談ください。
ご提案ラインナップ

用途の広がりは無限大!たのしみですね。