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精密パターン加工技術で広がるレチクルの可能性

ニーズに応じたカスタム対応を行い、新たな価値を創出しています。

安達新産業株式会社は、精密なパターン加工技術を強みとし、多様なレチクル製品を提供してきました。これまで光学分野で培った技術を応用し、医療・バイオ、測量・建設・土木、航空宇宙、ゲーム・スポーツといった幅広い分野へ展開を進めています。近年、各業界で求められるレチクルはより高精度・高機能化しています。私たちはそれぞれのニーズに応じたカスタム対応を行い、新たな価値を創出しています。今回は、レチクルの各分野への応用事例と、当社の技術的な強みをご紹介します。

【1】医療・バイオ分野への展開

顕微鏡用レチクル

用途:顕微鏡の接眼レンズに内蔵され、細胞や微粒子のサイズを測定するためのスケール(グリッド、十字線)として使われます。
用途例:血球計数、微生物検出、組織検査など

手術ナビゲーション用レチクル

用途:AR(拡張現実)や画像誘導手術で、手術器具の位置決めやガイドに使用される。
形状:医用カメラやディスプレイに投影されるターゲットマーク

【2】測量・建設・土木分野

レーザ測量機用レチクル

用途:トータルステーションやレベル測量機で、目標に正確に照準を合わせるために使用。
特徴:医用カメラやディスプレイに投影されるターゲットマーク

重機のオペレーター支援

掘削機やクレーンなどのオペレーターが、ターゲットポイントを画面上で視認するための補助線としてレチクルを使用。

【3】航空・宇宙分野

ヘッドアップディスプレイ(HUD)のレチクル

パイロットがヘルメットやキャノピー越しに見る情報表示に、照準線や航法補助線として表示。

宇宙用ナビゲーションカメラ

宇宙船や探査機の姿勢制御や位置計測用に、ナビゲーションカメラに入れられたグリッドや十字線が使われる。

【4】ゲーム・映像・AR/VR分野

クロスヘア(仮想レチクル)

FPS(シューティングゲーム)などで、仮想の照準マークとして使われます。リアルタイムに動くUIの一部。プレイヤーの武器の種類や精度に応じて変化します(ソフトウェアで実現)

ARグラス

現実と仮想の位置を一致させるための視線トラッキングやUIガイドとしてレチクルが使われます。

【5】工業検査・品質管理分野

デジタルマイクロスコープやビジョンシステム

工場のラインで微細なパターンや位置を測定するため、画面にレチクル(スケールやガイドライン)を表示。プリント基板検査や、部品位置合わせ、ガラスやフィルムの表面検査などに使用。

【6】安達新産業レチクルの強み

用途ごとに異なる仕様や制約条件に応じて、サイズ・形状・パターン設計・光学性能などをお客様と共に設計します。たとえば、医療機器向けには手術視野に適した視認性と透明性の両立設計、建設・測量用途には野外光に強い高コントラスト設計、ゲームやAR用途には極薄・軽量フィルム基板での量産設計など、お客様の業界・製品・装置の特性を踏まえた最適解をご提案が可能です。1枚からの試作検討、用途開発の初期段階から量産フェーズまで、伴走型パートナーとして対応いたします。

◆ ミクロンレベルのパターン加工技術

最小線幅5μmの微細グリッド、複雑な非対称形状、クロスヘア、スケールマーカーなど、あらゆる図形に対応します。高精度なマスク製造技術と自社設計データベースを活かし、視認性と精度を両立したパターン形成が可能です。

◆ ガラス、フィルム、金属、樹脂など多様な素材対応

石英・光学ガラス・PET・PC・アクリル・SUS・アルミなど、さまざまな基材に対して実績多数。製品用途や強度・耐久要件に応じた素材選定もサポートします。

◆ 少量試作から量産対応までフレキシブルにサポート

「まずは1枚から」でも、「年間数千枚」でも柔軟に対応。設計支援 → 試作 → 評価 → 改良 → 量産という一連のフローにおいて、品質とスピードを両立します。

◆ 用途に合わせた完全カスタム対応

業界・装置ごとの要件に応じて、図面・機能・材質・光学特性まですべての提案が可能です。医療、測量、航空、ゲームなど多様な用途での実用化実績をもとに、装置メーカーや開発担当者との共同開発にも多数対応しています。

まとめ

微細パターン加工を通じて、レチクルの可能性は今、あらゆる分野に広がっています。医療、測量、航空宇宙、ゲームなど、多様なフィールドで精度と信頼性が求められる中、安達新産業株式会社は、お客様に最適なソリューションを提供し続けます。未来を見据えたパートナーとして、さらなる技術革新に挑戦してまいります。ぜひお気軽にご相談ください。