微細なパターン加工
SPRバイオセンサーチップ
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SPRバイオセンサー(表面プラズモン共鳴チップ) SPRバイオセンサーは、センサーチップ表面での屈折率の変化に応じて反射光の強度が変化する仕組みを利用し、分子の吸着挙動をリアルタイムで解析できる高感度センサーです。製品はすべて完全オーダーメイド対応。ご要望に応じた膜構成、チップ形状、試験条件に合わせた仕様にて対応いたします。
微細加工と薄膜技術で支える高感度バイオセンシング
- SPRセンサーの仕組み
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SPRバイオセンサーでは、薄い金属膜(主に金:Au)上に、特定の分子と結合する機能層(レセプター)を形成します。そこにターゲットとなる分子(タンパク質など)が結合すると、界面の屈折率が変化し、それに応じてSPRの共鳴条件も変化します。この変化を角度、波長、あるいは反射光の強度として検出し、分子の結合過程や濃度、反応速度などをリアルタイムで評価できます。
- SPRセンサーを支える薄膜成膜加工技術
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安達新産業では、真空蒸着およびスパッタリング加工を用いた薄膜成膜技術により、金・アルミ・クロム・白金などの金属膜はもちろん、SiO₂やTiO₂などの誘電体膜にも幅広く対応しています。対応基板も、ガラス、セラミックス、半導体基板(Si、SiC)、金属板など多様な材料で実績多数。用途や目的に応じて、最適な膜構成や成膜条件をご提案いたします。
膜厚の高精度管理 50nm±5%以内 金属/合金単層膜 Au/Cr、Ag/Cr、SiO2/Ag/Cr,Ti/Pt/Au等 誘電体膜 各種金属酸化物、窒化物、絶縁膜等 対応基板 各種ガラス、樹脂、フィルム、 各種ウェハー(Si、SiC、Ge、GaN等) ワークサイズ 150mmまで対応可能です。
- 基板調達から成膜まで一貫生産が可能です。
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基板調達から成膜・微細加工までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。
- 万全の品質保証体制
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成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。すべての製品に対し、検査表を添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。
- 用途例
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1. 抗原・抗体の結合解析
SPRは、抗原と抗体の結合をラベルなしでリアルタイムに観察できるため、医療・診断薬開発の現場で重要な役割を果たしています。
✅ワクチン開発時の免疫応答評価
✅感染症検査用抗体の結合特異性の確認
✅抗体のサブクラスごとの親和性評価(ka/kd、KD値の算出)
2. 薬剤と標的タンパク質の結合評価(医薬品スクリーニング)
創薬においては、化合物が標的分子(例:酵素、受容体)とどのように結合するかを詳細に知る必要があります。SPRを使えば、以下のような結合特性を数値化できます。
✅候補薬剤の初期スクリーニング(ヒット化合物の選定)
✅結合速度・解離速度からの結合力(親和性)評価
✅薬物代謝酵素との相互作用確認(安全性評価)
3. 分子間相互作用(DNA、RNA、酵素、ペプチドなど)
核酸、酵素、ペプチドなどの生体高分子同士の結合や認識を調べる場面でもSPRは活用されています。
✅miRNAと標的mRNAの結合特性の解析
✅タンパク質-リガンド間のドメイン特異性評価
4. 食品・環境中の微量汚染物質検出
SPRの高感度性を活かして、農薬や重金属、ウイルスなど低濃度で検出が必要な分野でも実用化が進んでいます。
✅食品中のアレルゲン物質の定量評価
✅飲料水中の鉛・カドミウムなどの金属イオン検出(キレート剤との連携)
✅食品加工現場での病原菌(O-157、サルモネラなど)の迅速スクリーニング
SPRバイオセンサーチップは、わずかな分子の結合反応をリアルタイムに検出できることから、「結合するか・しないか」だけでなく、どのくらいの強さで・どれくらいの速さで反応するかといった、定量的・動的な情報まで取得可能です。これにより、基礎研究から実用化まで、広範な分野で応用が拡大しています。安達新産業では、研究・開発・試作段階での少量対応も承っております。クシ形電極や電気化学分析チップなども対応可能です。パターン加工に関するお困りごとがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。