匠の赤外線

BPF(バンドパスフィルター)
近赤外バンドパスフィルター 波長:830nm
- LED・LDの波長公差とフィルター側の中心波長公差が重なると、十分な透過が得られない。
- 高透過を目指すと、遮断域での漏れ光が問題になるケースがある。
- 光が斜め入射する装置での性能低下が気になる。角度依存への対応は必須だが。
- 試作スピードが求められる中、1からの設計では時間がかかる。すぐ使える標準品がほしい。
- 装置への組み込みを前提に、フィルターを特定サイズ・形状で納品してほしい。
解決!「近赤外バンドパスフィルター 波長:830nm」のチャート

匠のポイント
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830nmの光で「見えないものを視る」 ― バンドパスフィルターが支える最前線の技術
製造現場での品質検査や医療・ヘルスケア分野、そして顔認証や非接触センシングなど――いま、私たちの身の回りには「830nm」という近赤外の光が、さまざまな形で活用されています。この波長は人の目には見えませんが、その特性を活かしてマシンビジョンのコントラスト向上や血流・酸素濃度の非侵襲計測、バイオメトリクスの高精度化など、多くの先端技術を支えています。そして、この「830nmの光」だけを的確に取り出し、余計な光を遮断する役割を果たしているのが830nmバンドパスフィルターです。
安達新産業では、お客様の用途に合わせて「高透過率」「狭帯域設計」「角度依存性の低減」「耐環境性」など、830nm専用に最適化した設計を提案しています。産業用から医療、そして未来のIoT・AI機器まで――「見えないものを視る」ための小さな部品を製造しています。
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標準在庫品で開発をサポート
ご検討中のお客様に向け、すぐに評価可能な標準在庫フィルターをご用意しています。試作・検証期間の短縮、スピーディーな製品立ち上げにぜひご活用ください。
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基板に最適化した設計
お客様のご要望の波長領域に合わせた設計・成膜(コーティング)が可能です。透過域のみならず、阻止域での制御や入射角も重要な要素です。基板の特性並びにお客様の要望に合わせた設計を行いますので、お問い合わせ時に、基板種や波長帯をお伝え下さい。
830nmフィルターの性能を最大限に引き出すためには、基板材質や構造に応じた最適な成膜設計が欠かせません。当社では、ガラス・石英・サファイアなど多様な基板に対応し、それぞれの熱膨張係数や表面特性を考慮した薄膜設計を行っております。
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部品形状対応も可能
基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。
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万全の品質保証体制
成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。赤外領域の分光特性測定が可能なFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を完備。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。
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安全・安心な製品設計
当社では、人体や環境に有害な物質は一切使用しておりません。安全性にも配慮した製品設計を徹底しております。カスタム設計のバンドパスフィルターに関するご相談は、ぜひ安達新産業へ。長年の経験と実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。※バンドパスフィルターの選びかたガイドを見る
用途展望
- AI×画像処理の進化で需要拡大
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マシンビジョンにAIが本格導入され、高精度化のために背景光カットや波長制御が重要に。
- 医療・ヘルスケア向けウェアラブル端末
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小型・低消費電力の近赤外センサーを使った健康管理機器への展開。
- AR/VR向けのセンシング
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距離計測・視線追跡用途で830nm帯光源とフィルターの組み合わせが検討されている。
- 環境・農業分野でのセンシング
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作物の水分量や糖度測定など、近赤外領域を使った分析ニーズの高まり。