クシ形電極ー銅パターン(Cu)
- 銅(Cu)の酸化による電極性能の劣化を懸念している
- 微細なクシ形パターンが形成できない
- エッチングが難しく、AuやITOと比べて微細加工の知見が少ない。
- 電気マイグレーション試験に適したチップが製作できない
- 基材との密着性が悪く、剥離やクラックが発生する
(バリア層や下地処理の設計に困っている。) - 安定した試作品を小ロットで作れる加工先が見つからない
解決!「クシ形電極ー銅パターン(Cu)」のチャート

匠のポイント
👉高精度微細加工と薄膜技術で実現する、次世代センサー・バイオデバイスへの応用
クシ形電極(Interdigitated Electrode:IDE)は、バイオセンサー、ガスセンサー、インピーダンス測定など、多様なセンシングデバイスに使用される重要な電極構造です。安達新産業では、長年培った薄膜形成技術と微細パターン加工技術を活かし、Cu(銅)を用いた高性能なクシ形電極の製作に対応しています。
👉なぜ銅(Cu)なのか?〜高導電・低コストだけではない、Cu電極の多機能性と可能性〜
クシ形電極に使用される材料として、これまでAu(金)やPt(白金)といった高価な金属が多く採用されてきました。しかし、近年では「高導電性」「コストパフォーマンス」「プロセス適応性」のバランスに優れるCu(銅)のニーズが急速に高まっています。
✅1. 高い導電性と低抵抗
Cuは、銀に次いで高い導電性を持つ金属です。そのため、微細構造であっても確実な電流・信号伝達が可能であり、微小な変化を正確に捉えるセンサー特性を実現します。特にインピーダンス測定用途では、電極間の応答特性に大きく影響を与えるため、Cuの導電性の高さは大きなアドバンテージとなります。
✅2. コストパフォーマンス
金や白金といった貴金属に比べて、材料コストを大幅に抑えることができるのがCuの大きな利点です。量産性を求めるセンサーアレイや評価用チップでは、試作段階からのトータルコスト最適化に貢献します。
✅3. 電気マイグレーションの評価用途に最適
近年、配線材料の信頼性評価やエレクトロマイグレーション(EM)評価において、Cu製クシ形電極を用いたテストチップの需要が増加しています。特に、以下のような観点でCuは有効です。
📌微細配線でのマイグレーション挙動を再現しやすい
📌ストレス試験(高温・高電流)下でのCuの劣化メカニズムを可視化
📌実用材料と同一条件での評価が可能
安達新産業では、EM評価向けの微細Cuパターン形成にも対応しており、試験環境に応じた構造最適化や成膜条件のカスタマイズが可能です。
✅4. 他材料との相性と膜構成の自由度
Cuは、ガラス・セラミック・Siなど多様な基材に対応可能であり、Ti、Crなどのバリアメタルとの積層構造により、密着性や酸化耐性を高めることができます。さらに、表面酸化対策としてパッシベーション膜(SiN、SiO₂)との組み合わせも可能です。
✅5. 微細パターン形成との高親和性
当社のフォトリソグラフィ技術を活かすことで、L/S 5μm程度のクシ形パターン形成にCuで対応できます。これは、微小電極間での信頼性評価や漏れ電流測定といった精密な測定を可能にします。
👉微細加工技術による高密度化
ナノレベルの膜厚制御技術と、ミクロンレベルの微細加工技術により、極めて狭いギャップ(例:最小5ミクロンのL/S)と高アスペクト比を実現しています。これにより、電極の高密度化、小型化を可能にし、より多くの検出サイトを確保することで、センシング性能の向上に寄与します。
👉柔軟なカスタマイズ対応とスピーディな検証向けの標準在庫
お客様の具体的な用途やデバイス設計に合わせ、基板材料(ガラス、石英、シリコン、各種樹脂など)、電極パターン、膜厚、電極サイズなどを柔軟にカスタマイズできます。試作から量産まで、幅広く対応いたします。
👉薄膜形成技術(スパッタリング、蒸着)
当社では、クシ形電極の性能を最大限に引き出すため、スパッタリングおよび真空蒸着による高品質な金薄膜の形成を行っています。これらの成膜技術は、それぞれに異なる特長を持ち、用途や設計仕様に応じて最適なプロセスを選択しています。
👉万全の品質保証体制
基板調達から成膜・微細加工までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。また、成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。すべての製品に対し、検査表を添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。
👉用途
◆化学センサー・ガスセンサー
表面に吸着した化学物質やガスによって電気抵抗や静電容量が変化することを利用。
例:VOC検出、二酸化炭素センサー、アンモニアセンサーなど。
◆ バイオセンサー
電極間に抗体や酵素などの生体分子を固定し、特定のターゲット分子と結合した際のインピーダンス変化を検出。
例:グルコースセンサー、抗原検出、DNAセンサー。
◆湿度センサー
空気中の水分による誘電率変化を検出。
👉今後の展開
Cuは単なる低コスト電極材料ではなく、高信頼性・量産性・試験評価性のすべてを兼ね備えた材料として、現代のクシ形電極用途で注目されています。安達新産業では、Cuの特性を最大限に活かしたカスタム設計・加工に大阪・関西地区で対応しています。常に最先端の技術を提供し続けることで、お客様の競争力強化に貢献します。※クシ形電極の基礎徹底解説を合わせてご一読ください。。