問題解決

匠の紫外線

BPF(バンドパスフィルター)

紫外線バンドパスフィルター 波長:254nm

  • 紫外線(UV-C)領域:254nm波長をピンポイントに透過出来ないでしょうか?
  • UV-Cは波長が短くエネルギーが高いため、膜材や基板の耐久性が心配。
  • 透過率やバンド幅などの設計要件を細かく指定したい。
  • 光源の波長変動や経年変化による性能への影響が気になる。
  • カスタムサイズや特殊形状での製作可否。
解決!「紫外線バンドパスフィルター 波長:254nm」のチャート
※設計例であり、保障値ではありません。

匠のポイント

  • 必要な紫外光だけを、確実に-紫外線バンドパスフィルター(365nm)

    紫外線バンドパスフィルター(254nm)は、中心波長254nm付近の紫外光のみを透過し、それ以外の波長、特に近紫外・可視・赤外光を高効率で遮断する光学フィルターです。254nmはUV-C領域(100〜280nm)に属し、殺菌・滅菌、オゾン発生装置、分析機器など、強力な紫外線エネルギーを必要とする用途で広く活用されています。

    254nmの高エネルギー紫外光を効果的に透過させるために、紫外線透過性に優れた石英(合成石英)基板を使用しています。また、不要波長の近紫外や可視光を精密にカットすることで、狭帯域かつ急峻な透過特性を実現。さらに、UV-C光による光学膜の劣化を抑えるため、耐UV・耐環境性に優れた特殊膜材と設計を採用。加えて、光源の配置や装置設計の多様性に対応するため、角度依存性を最小限に抑えた光学設計が施されています。

  • 254nmの重要性

    254nmは、「高エネルギーかつ生物活性が強い波長」という特性から、殺菌・滅菌から光化学反応、環境浄化まで幅広く不可欠な役割を担っています。

    強力な殺菌・滅菌効果
    254nmはDNAやRNAの核酸に吸収されやすい波長であり、細菌やウイルスの遺伝情報を効果的に破壊します。このため、水処理、空気清浄、医療現場などでの殺菌・滅菌用途において標準的な波長として利用されています。紫外線による微生物の不活化は、化学薬品を使わないため環境負荷が低いのも特徴です。

    オゾン生成の基点波長
    254nmは酸素分子(O₂)を分解してオゾン(O₃)を生成する過程に関与する重要な波長です。オゾン発生装置では、この波長のUV光を利用してオゾンを効率的に生産し、脱臭や殺菌など多様な応用に使われています。

    工業・分析機器への応用
    254nmの紫外線は、高感度な分光分析、蛍光励起、光化学反応促進など多くの産業応用に用いられています。特に、紫外吸収分析(UV-Vis分光法)での基準波長として重要です。

  • ご要望の波長帯での設計・カスタマイズが可能

    お客様のご要望の波長領域に合わせた設計・成膜(コーティング)が可能です。透過域のみならず、阻止域での制御や入射角も重要な要素です。基板の特性並びにお客様の要望に合わせた設計を行いますので、お問い合わせ時に、基板種や波長帯をお伝え下さい。

    特に紫外線バンドパスフィルターの性能を最大限に引き出すためには、基板材質や構造に応じた最適な成膜設計が欠かせません。当社では、ガラス・石英・サファイアなど多様な基板に対応し、それぞれの熱膨張係数や表面特性を考慮した薄膜設計を行っております。

  • 部品形状対応も可能

    基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。

  • 万全の品質保証体制 

    成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。

  • 安全・安心な製品設計

    当社では、人体や環境に有害な物質は一切使用しておりません。安全性にも配慮した製品設計を徹底しております。カスタム設計のバンドパスフィルターに関するご相談は、ぜひ安達新産業へ。長年の経験と実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。※バンドパスフィルターの選びかたガイドを見る

用途例と今後の展望

用途例

殺菌・滅菌装置
低圧水銀ランプの254nm励起線を利用し、水処理設備や空気清浄装置、医療機器の表面殺菌において、DNAやRNAの分子構造を光化学的に破壊することで微生物を不活化します。バンドパスフィルターによって波長を厳密に制御することで、装置の効率と安全性を高めています。

オゾン発生装置
254nmの紫外光を活用し、大気中の酸素分子を励起・分解してオゾンを生成します。狭帯域のフィルターを用いて不要な波長を除去することで、オゾン生成効率の向上と副生成物の抑制に貢献します。また、高耐UVコーティングによる長寿命化も重要です。

ガスクロマトグラフィー・分光分析
254nm波長を励起光源として利用し、分析対象物の特定吸収ピークに合わせて高感度な分子構造解析や濃度測定を行います。高い波長安定性と透過率を持つバンドパスフィルターにより、信号のS/N比が大幅に改善されます。

蛍光検出・光化学反応
高エネルギーの254nm紫外線を照射して、試料中の蛍光物質や光化学活性分子の励起反応を促進します。フィルターによって励起光の波長帯を厳密に制御し、不要なバックグラウンド光を抑えることで、蛍光検出感度や反応制御の精度が向上します。

今後の展望

UV-C領域は殺菌・滅菌用途を中心に世界的に需要が増加しています。特にLED化の流れに伴い、254nmや265nm付近のUV-C LEDも実用化が進んでおり、従来の低圧水銀ランプに代わる新しい光源向けフィルターの開発が求められています。こうした取り組みを通じ、次世代の紫外線殺菌装置・分析機器・研究用途など、より高度化・多様化するニーズに対応していきます。

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