匠の紫外線

BPF(バンドパスフィルター)
紫外線バンドパスフィルター 波長:365nm
- 使用しているUV光源との最適化が必要だが、技術的な相談先が分からない。
- 長時間使用したときのコーティングの耐久性が心配。
- 他の波長をどこまでカットできるか詳しく知りたい。
- 特殊サイズ・特殊形状のフィルターが欲しいが対応してもらえるか不安。
- LED光源を使った新しい装置でも性能が十分か確認したい。
解決!「紫外線バンドパスフィルター 波長:365nm」のチャート

匠のポイント
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必要な紫外光だけを、確実に-紫外線バンドパスフィルター(365nm)
紫外線バンドパスフィルター(365nm)は、中心波長365nm付近の紫外域の光のみを選択的に透過し、それ以外の波長(主に可視光・近赤外領域)を高効率で遮断する多層誘電体光学フィルターです。多層膜干渉を利用した狭帯域特性により、光源のスペクトル中で必要とする紫外成分のみを抽出し、不要な波長による信号ノイズや熱影響を低減します。UV-LEDや水銀ランプなどの紫外光源と組み合わせることで、UV硬化装置やリーク検査装置、非破壊検査装置・蛍光分析装置など、紫外光による高精度な照射・検出を求められる産業用・分析用装置に幅広く採用されています。
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なぜ365nmが重要なのか?
365nmは紫外線領域の中でもUV-A(315〜400nm)に分類されます。UV-Aは紫外線の中でも比較的波長が長く、光子エネルギーはおおよそ3.4eV程度。この波長は、人や材料へのダメージが少なく、それでいて十分な紫外光の作用を持つため、工業・分析用の標準波長として採用されています。重要な理由としては以下2つが挙げられます。
✅感光材・蛍光材との相性
樹脂、インク、接着剤などの光硬化材料(フォトポリマー)や蛍光剤の多くは、感度ピークや励起ピークを365nm周辺に持つように設計されています。これにより、短時間で効率的に硬化・励起が可能になります。例:UV硬化樹脂の感度曲線 → 360〜380nm付近でピーク✅光源との関係
365mは長らく低圧水銀ランプの代表的な発光線(i線、365nm線)として広く使われてきました。近年はUV-LEDでも、365nmの高出力モデルが安定供給されており、小型装置や省エネルギー用途にも最適化されています。 -
ご要望の波長帯での設計・カスタマイズが可能
お客様のご要望の波長領域に合わせた設計・成膜(コーティング)が可能です。透過域のみならず、阻止域での制御や入射角も重要な要素です。基板の特性並びにお客様の要望に合わせた設計を行いますので、お問い合わせ時に、基板種や波長帯をお伝え下さい。
特に紫外線バンドパスフィルターの性能を最大限に引き出すためには、基板材質や構造に応じた最適な成膜設計が欠かせません。当社では、ガラス・石英・サファイアなど多様な基板に対応し、それぞれの熱膨張係数や表面特性を考慮した薄膜設計を行っております。
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部品形状対応も可能
基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。
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万全の品質保証体制
成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。
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安全・安心な製品設計
当社では、人体や環境に有害な物質は一切使用しておりません。安全性にも配慮した製品設計を徹底しております。カスタム設計のバンドパスフィルターに関するご相談は、ぜひ安達新産業へ。長年の経験と実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。※バンドパスフィルターの選びかたガイドを見る
用途例と今後の展望
- 用途例
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✅ UV硬化装置
中心波長365nmを利用し、紫外線硬化型樹脂・接着剤に含まれる光開始剤を高効率で励起。これによりラジカルやカチオン反応を誘発し、短時間で硬化・重合を完了。製造ラインでの高速処理、省エネルギー化に貢献。✅ 非破壊検査・リーク検査
検査対象物に適用した蛍光浸透液や蛍光磁粉などの励起波長として365nmを照射。励起発光(通常500〜600nm付近)を高コントラストで観察することで、微細な欠陥やピンホール、溶接部のクラックやリーク箇所を非接触で高精度に検出。✅ 蛍光分析・研究用途
特定の蛍光プローブ・染料(例:FITC、DAPI、アクリジンオレンジなど)の励起光源として365nmを利用。不要な波長を遮断するバンドパスフィルターとの組み合わせにより、背景光を低減し、蛍光強度とS/N比(信号対雑音比)を向上させ、分析感度を高める。✅ 美術品や紙幣の真贋判定
偽造防止インクや蛍光顔料などが設計された励起波長365nmを選択的に照射。蛍光反応や発光パターンを可視化し、真正品か否かを迅速に判定。特に紫外線反応を利用したセキュリティ印刷や特殊コーティングの検査に適用。✅ バイオ・医療分野
紫外励起蛍光染料や蛍光タンパク質を利用した細胞・微生物観察、組織染色の励起光源として365nmを用いることで、励起効率を最適化。さらに特定波長を選択的に透過させることで他励起光によるクロストークを抑制し、定量性・再現性の高い蛍光画像解析が可能。
- 今後の展望
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✅UV-LED光源性能の進化とフィルター要求の高度化
近年のUV-LED技術では、中心波長365nm±数nmの波長精度の向上と、単素子で数W級を超える高放射強度モデルの実用化が進んでいます。これにより、従来の水銀ランプ代替だけでなく、より狭帯域で高透過率、かつ長時間動作時のスペクトル安定性を持つバンドパスフィルターへのニーズが顕在化しています。✅市場動向と次世代応用
UV-LED市場は、2025年以降も年平均成長率で10%超と予測され、特に高出力・長寿命タイプへの需要が拡大。医療・分析装置分野では、より高感度・高精度を求めて狭帯域化の要求が強まりつつあります。また、自動化・AI検査装置との連携により、365nmを中心とした多波長励起分析(マルチバンドパスフィルター)への関心も高まっています。
UV-LED光源における放射強度向上、波長制御精度の向上、さらには低消費電力化の進展に伴い、中心波長365nmに特化した高性能バンドパスフィルターの需要は今後ますます拡大すると予想されます。当社では、光源のスペクトル幅や照射角度特性に最適化した多層誘電体設計をはじめ、高出力UV-LEDの長時間連続照射による熱負荷や紫外線劣化に対応する高耐環境型・高耐UV型コーティング技術の開発を推進しています。さらに、装置ごとに要求される透過帯域幅やカットオフ特性を精密制御したカスタム仕様フィルターの提案により、装置の高精度化・高効率化を支援し、次世代UV応用分野の進化に貢献していきます。
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