問題解決

匠のバンドパスフィルター

可視光

可視光バンドパスフィルター 波長:532nm+ITO

  • ITO膜を追加すると、バンドパスフィルター本来の透過率が下がり、センサーの検出感度が落ちる
  • 生産ラインの強い静電気や粉塵環境で、本当にITO膜が十分に帯電防止機能を発揮するか?
  • 帯電防止性能を強化するためにシート抵抗値を低く設定すると、光学性能に悪影響が出ない
  • 製造ロットや角度依存性で、センシング性能に影響を与える波長特性や透過率のばらつきがないか不安。
  • バンドパスフィルター単体に比べ、ITO付きは製造工程が増えるため、価格や納期が大幅に変わる?
解決!「可視光バンドパスフィルター 波長:532nm+ITO」のチャート
※設計例であり、保障値ではありません。

匠のポイント

  • 優れた透過特性と帯電防止性能を両立した複合光学フィルター

    当社では、長年にわたるバンドパスフィルター開発の実績と技術力を活かし、多層の誘電体薄膜を高精度に成膜することで、光の干渉現象を最適に制御し、特定波長のみを高効率で透過させる高性能バンドパスフィルターを実現しています。さらに、光学多層膜上に、高透過型の透明導電膜(ITO:Indium Tin Oxide)を一体的に成膜することで、透過特性を損なうことなく、優れた帯電防止機能を付加しました。

    この構造により、例えばフィルター表面での静電気の蓄積を抑制し、粉塵や微粒子の付着、放電によるデバイス損傷などを低減可能です。特にクリーンルーム環境下や、高感度の光電センサー、医療機器、分析装置などでの利用において大きな効果を発揮します。なお、本製品では、シート抵抗は約131Ω/□を実現しており、透明性と導電性のバランスに優れた設計となっています。

    バンドパスフィルターとしての高い選択透過性能と、ITO層による実用的な帯電防止機能を兼ね備えた本フィルターは、光学部品の高性能化・高信頼性化を支える安達新産業の新しいソリューションです。
     

    ※上がバンドパスフィルターのみのチャートで、下がバンドパスフィルター+ITOのチャートです。透過率は若干落ちるものの、波形としては似た形状を実現しております。

  • ITO(透明導電膜について)

    技術トレンド:ITO(透明導電膜)について徹底解説!をご覧ください

  • ご要望の波長帯での設計・カスタマイズが可能
    • お客様のご要望の波長領域に合わせた設計・成膜(コーティング)が可能です。透過域のみならず、阻止域での制御や入射角も重要な要素です。基板の特性並びにお客様の要望に合わせた設計を行いますので、お問い合わせ時に、基板種や波長帯をお伝え下さい。

      バンドパスフィルターの性能を最大限に引き出すためには、基板材質や構造に応じた最適な成膜設計が欠かせません。当社では、ガラス・石英・サファイアなど多様な基板に対応し、それぞれの熱膨張係数や表面特性を考慮した薄膜設計を行っております。

  • 部品形状対応も可能

    基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。

  • 万全の品質保証体制 

    成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。

  • 安全・安心な製品設計

    当社では、人体や環境に有害な物質は一切使用しておりません。安全性にも配慮した製品設計を徹底しております。カスタム設計のバンドパスフィルターに関するご相談は、ぜひ安達新産業へ。長年の経験と実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。※バンドパスフィルターの選びかたガイドを見る

用途例と今後の展望

用途例

静電気対策が必要な光学センサー
FA(ファクトリーオートメーション)用の光電センサーやレーザーセンサーなどで、バンドパスフィルターの高い選択透過性と、静電気による誤作動や粉塵付着の抑制を両立。

医療・分析機器
血液分析装置や蛍光測定装置など、高精度な光学特性が必要な機器で、静電気による試料汚染や機器内部の放電ダメージを防止

レーザー装置や検査装置
高出力レーザーや精密検査装置で、干渉型バンドパスフィルターの波長選択性能を維持しつつ、静電気や粉塵を抑制することで装置寿命や稼働率を向上。

今後の展望

静電気対策と光学性能のさらなる両立
シート抵抗の最適設計や新規透明導電材料の活用で、より低い抵抗値でも透過率を高く保ち、さらなる性能向上が期待される。

IoT・自動化向けセンサーの拡大
FAや物流、農業などIoTセンサー用途で、センサー数の増加に伴い、帯電防止ニーズが高まる。複合フィルターが標準部品として採用される可能性。

次世代車載デバイス向け
自動運転支援や安全装置のセンサーで、過酷環境への耐性や長寿命化要求に応えるため、ITO複合フィルターの需要が拡大。

医療・バイオ分野での応用
小型・高感度の光学診断装置やウェアラブル機器に組み込まれ、衛生面や装置信頼性の向上に貢献。

このように、ITOとバンドパスフィルターを組み合わせた複合フィルターは、高度な光学性能と帯電防止機能を一体化することで、従来の課題を解決し、多様な産業分野で新たな価値を提供します。安達新産業は、今後も技術革新と市場ニーズの変化に応じて、さらなる高性能化・小型化・多機能化を追求し、より幅広い用途への展開を目指してまいります。

関連ページ