UV-IRカットフィルター
- 海外量産メーカーは数万〜数十万枚単位が前提。小ロットや試作品に対応してもらえない
- 海外拠点での調達は輸送時間・調整コストが大きく、急ぎの試作や仕様変更に応えられない。
- 多層膜の厚み制御などで微妙なバラつきが出ると、最終製品の性能に影響するため困っている。
- 標準仕様だけでは要件を満たせず、透過波長やカット特性を微調整したいのに、柔軟に相談できない。
- 海外の情勢や物流の影響で納期が大幅にずれるリスクがあり、安定供給をどう確保するか悩んでいる。
解決!「UV-IRカットフィルター」のチャート

匠のポイント
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UV-IRカットフィルター国内生産が減少した背景
UV-IRカットフィルターは、紫外線や赤外線をカットしながら可視光のみを透過させる、精密で高度な光学薄膜技術によって作られる重要な部品です。かつては日本国内でも、多くの光学薄膜メーカーが持ち前の技術力を活かし、安定した品質のフィルターを製造していました。
しかし2000年代に入り、デジタルカメラやスマートフォンなどの需要拡大とともに、大量生産・低コスト化への要求が急速に高まりました。特にアジア圏における量産体制の整備や為替レートの影響により、国内での生産コストとの差が無視できないほど大きくなり、多くの製造業が海外への生産移管を選択せざるを得ませんでした。
さらに、国内での新規設備投資や人材確保が難しくなったことで、次第に国内メーカーは競争から撤退し、いつの間にか「日本国内産」のUV-IRカットフィルターは市場からほとんど姿を消してしまいました。
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それでも安達新産業が、日本国内生産に希望を持つ理由
✅ 高品質・安定供給
日本のものづくりは、厳しい品質基準と細やかな検査工程、トレーサビリティにより、世界でも高い信頼を築いてきました。お客様が求める再現性の高い性能と長期安定供給を両立できるのは、日本国内生産ならではの強みです。✅ 小ロット・多品種への柔軟対応
海外の大規模量産ラインでは対応が難しい、数十〜数百枚単位の試作や限定生産、特殊仕様なども、国内ならフットワーク軽く対応可能です。製品の多様化・短期開発が求められる今、小回りの利く生産体制は大きな価値となります。✅ 地政学的リスクの回避と安定調達
海外情勢や物流トラブル、パンデミックなどの影響により、突然納期が大幅にずれたり、供給が滞ったりするリスクが現実のものとなっています。国内での製造・在庫体制を持つことで、こうした外部要因の影響を最小化し、安定的にお客様へ供給できます。✅ 開発スピードの向上
設計・試作・評価を国内で一貫して行うことで、コミュニケーションのロスを減らし、開発リードタイムを大幅に短縮できます。特に市場投入スピードが競争力を左右する製品開発においては、大きなアドバンテージです。また、ご検討中のお客様に向け、すぐに評価可能な標準在庫フィルターをご用意しています。試作・検証期間の短縮、スピーディーな製品立ち上げにぜひご活用ください。✅ 安心感と価値の見える化
「国内で誰がどのように作っているのか」をお客様自身が把握できる安心感。製品の信頼性だけでなく、取引先やエンドユーザーへの説明責任にも応えられます。 -
ご要望の波長帯での設計・カスタマイズが可能
お客様のご要望の波長領域に合わせた設計・成膜(コーティング)が可能です。透過域のみならず、阻止域での制御や入射角も重要な要素です。基板の特性並びにお客様の要望に合わせた設計を行いますので、お問い合わせ時に、基板種や波長帯をお伝え下さい。
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部品形状対応も可能
基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。
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万全の品質保証体制
成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。
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安全・安心な製品設計
当社では、人体や環境に有害な物質は一切使用しておりません。安全性にも配慮した製品設計を徹底しております。カスタム設計のUV-IRカットフィルターに関するご相談は、ぜひ安達新産業へ。長年の経験と実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。
用途例
- ✅ スマートフォン・デジタルカメラのさらなる高画質化
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現在も主要用途であるカメラモジュール向けでは、イメージセンサーの高解像度化・小型化・高感度化が進む中で、より狭帯域・高精度のUV–IRカット特性が求められる傾向があります。特に低照度撮影や夜景モード、高ダイナミックレンジ撮影において、UV–IRカットフィルターの品質が画質に大きく影響するため、今後も改良や高性能化ニーズが続くと予想されます。
- ✅ 自動運転・ADAS(先進運転支援システム)向けカメラ
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車載カメラは、昼夜・晴雨などあらゆる条件で安定した画像認識を必要とします。UV–IRカットフィルターは、赤外線による誤検知やノイズを防ぎ、物体検出精度の向上に寄与します。特に電動車やロボタクシーの普及により、車載カメラ市場の拡大が見込まれる中で、今後需要がさらに伸びる分野です。
- ✅ 医療・ライフサイエンス用途
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内視鏡や顕微鏡用カメラ、分析装置などで、可視域のみを高精度に透過させるUV–IRカットフィルターは必須。医療機器の高解像度化や4K・8K対応が進むことで、より高精細・色再現性の高いフィルターが必要になります。
- ✅ FA・産業用カメラ/ロボットビジョン
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工場内の外乱光(紫外線・赤外線)を除去し、正確な画像処理を行う用途も増加。特に高速検査ラインやロボットによるピッキングでは、ノイズを低減し画像解析精度を上げる目的で、UV–IRカットフィルターが重要になります。
- ✅ セキュリティ・監視カメラ
夜間・昼間の切替を自動で行う「デイナイトカメラ」でもUV–IRカットフィルターは必須。最近はAIによる顔認証・行動解析なども進んでおり、解析エンジンに正しい情報を入力するためのフィルターとして、高性能化の需要が期待されます。
日本のものづくりを考える。
UV-IRカットフィルターは、単なる「部品」ではなく、製品性能やブランド価値を支える重要な技術です。かつては日本国内でも盛んに作られていましたが、今ではほとんどが海外生産に頼っています。しかし、品質へのこだわり、安定供給、そして柔軟な対応という観点から、もう一度「日本でつくる」価値が見直され始めています。私たち安達新産業も、日本発のものづくりの灯を絶やさぬよう、開発・製造体制を整え、お客様のご要望に応えていきます。
「国内生産のUV-IRカットフィルターを応援したい」
「日本のものづくりを支えたい」
そんなお客様のお気持ちが、私たちの挑戦を大きく後押ししてくれます。これからも安達新産業は、お客様とともに未来へつながる日本の製造業を築いていきたいと考えています。