問題解決

色ガラスへのIRカットフィルター蒸着加工

  • 基板に色ガラスフィルターを使用することは可能ですか?
  • 色ガラスフィルターの、一部の光学特性を蒸着で調整できますか?
  • 近赤外の波長を吸収させたいのですが、対応可能ですか?
  • ノイズになる光を抑えて、センサの感度を上げたい。相談できますか?
  • チップサイズへの加工は可能でしょうか?
解決!「色ガラスへのIRカットフィルター蒸着加工」のチャート
※設計例であり、保障値ではありません。

匠のポイント

  • 色ガラスフィルター × 誘電体膜:高性能フィルターのご提案

    安達新産業では、吸収型フィルターとして広く使用される「色ガラスフィルター」をベースに、長年培った誘電体多層膜の成膜技術を融合させた、高付加価値フィルターをご提供しています。

    色ガラスフィルターの特長

    不要光の吸収:
    入射光のうち不要な波長を吸収し、目的の光のみを抽出可能です。色ガラスは、材料内部のイオン種や微細構造により、特定波長の光を吸収します。これにより、不要なノイズ光を効果的に除去し、目的波長のみを透過させることが可能です。

    入射角に依存しない性能:
    吸収型フィルターは、干渉型と異なり入射角によるスペクトル変動が少なく、広角度で安定した性能を発揮します。

    製品特性に応じた選定が可能:
    特定の用途では色ガラスの吸収特性が不可欠なケースも。無機材料ベースの色ガラスは、温度変化や湿度に対して高い耐性を持ち、過酷な環境下でも安定した動作が可能です。

 

  • 色ガラスフィルターの課題に対する対応

    色ガラス単体では、透過帯域と遮断帯域の遷移が緩やかであり、急峻なカットオフ特性を求める用途には不向きな場合があります。そこで当社では、誘電体多層膜による干渉制御を加えることで、以下のような性能強化を実現しています。

    📉 (課題)透過特性の緩やかさ:透過帯域と遮断帯域の境界がなだらかで、急峻な切り替えが困難

    (対策①)急峻な立上り・立下り特性
    多層膜の干渉効果により、透過帯域と遮断帯域の境界をシャープに制御。色ガラスの緩やかな特性を補完します。

    (対策②)遮断域の透過率低減
    誘電体膜により、遮断域での残留透過光をさらに抑制。高コントラストなフィルタリングが可能です。

    (対策③)波長帯域のカスタム設計
    色ガラスの吸収特性と誘電体膜の干渉特性を組み合わせることで、広帯域から狭帯域まで柔軟な設計が可能です。

    つまり誘電体を成膜することで、冒頭のチャートが示すように透過帯域からカット帯域への立下りをシャープにすることができ、かつ、不透過域の透過率も抑えることが出来ます。

  • ご要望の波長帯での設計・カスタマイズが可能

    お客様のご要望の波長領域に合わせた設計・成膜(コーティング)が可能です。透過域のみならず、阻止域での制御や入射角も重要な要素です。基板の特性並びにお客様の要望に合わせた設計を行いますので、お問い合わせ時に、基板種や波長帯をお伝え下さい。

  • 部品形状対応も可能

    基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。

  • 万全の品質保証体制 

    成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます

  • 安全・安心な製品設計

    当社では、人体や環境に有害な物質は一切使用しておりません。安全性にも配慮した製品設計を徹底しております。カスタム設計の色硝子フィルターに関するご相談は、ぜひ安達新産業へ。長年の経験と実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。

用途例

カメラモジュール(スマートフォン、車載、監視カメラ)

赤外線による色かぶりやフレアを防ぎ、昼間の自然な色再現を実現。広角レンズや小型筐体にも対応しやすい特徴があります。

顔認証・生体認証センサー

RGB-IRセンサーなど赤外感度を持つモジュールで、不要な赤外線をカットし、認識精度を向上致します。

ドローン・ウェアラブルカメラ

軽量・薄型設計が求められる機器において、吸収型IRカットフィルターはモジュール高さを抑えつつ、光学性能を維持します。

吸収型IRカットフィルターは、入射角依存性が低く広角撮影に適しており、耐熱性・耐環境性にも優れるため、安定したセンサー動作を支えます。角度に依存しない光学設計が可能で、モジュール設計の自由度も高く、誘電体膜との組み合わせにより透過特性のシャープ化や遮断性能の向上も実現できます。安達新産業では、波長帯域や基板仕様に応じた設計・成膜に一貫対応し、今後は車載・生体認証・高精細映像分野など多様なニーズに応える高機能フィルターの展開を加速してまいります。

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