問題解決

匠の赤外線

AR(反射防止膜)

赤外線反射防止(ANIX-DLC) 波長:9μm

  • レーザ用の窓材として、透過率の高いフィルターがほしい。
  • 赤外を透過する基板は、単体では透過率の低いので改善してほしい。
  • ピーク波長の制御は難しいでしょうか?
  • ゲルマニウムは傷や水に弱い材料なので、強い特性を実現できないでしょうか?
  • 遠赤外線領域だけど、測定できますでしょうか?
解決!「赤外線反射防止(ANIX-DLC) 波長:9μm」のチャート
※設計例であり、保障値ではありません。

匠のポイント

  • 赤外線の透過効率を最大化し、センシング精度を高める光学ソリューション

    赤外線波長帯、特に9μm付近は、常温物体から放射される熱赤外線(遠赤外線)を捉えるための重要な領域です。サーモグラフィや人体検知センサー、赤外線カメラなどの分野では、この波長帯の透過効率がデバイスの性能を左右します。当社では、Ge(ゲルマニウム)やSi(シリコン)などの赤外用光学基板に多層干渉膜を成膜することで、9μm帯の赤外線を高効率で透過させるARコーティングを実現しています。赤外線の損失を最小限に抑えつつ、明瞭な検知・撮像が可能になります。

    ✅透過率:約93%(基板:Ge)※参考値
    ✅反射率:0.5%以下(@9μm)※下記参照願います。

  • 高耐久性を実現する「ANIX-DLCコート」

    当社では、反射防止膜の表面保護としてANIX-DLCコート(ダイヤモンドライクカーボン)を採用。高温多湿や過酷な環境下でも安定した性能を発揮し、長期運用にも安心です。

    1. 高硬度(HV1500)による優れた耐擦傷性
    2. 優れた耐水性、耐薬品性、耐食性
    3. 人体に有害な物質は不使用
  • カスタマイズ設計・部品加工にも対応

    ご希望の入射角条件に応じた個別設計・最適成膜が可能です。さらに、基板調達から成膜、形状加工、部品化まで一貫対応いたします。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。装置への組み込みを想定した設計も可能です。※レンズ形状など、特別な仕様については別途ご相談ください。

  • 測定と品質管理

    当社では、FT-IR(フーリエ変換赤外分光計)を用いた分光測定を行い、出荷時にはすべての製品に測定チャートを添付しています。光学特性を可視化し、信頼性の高い製品をご提供します。

  • クリーンルーム管理と基板の取扱い

    成膜から検査、そして梱包に至るまで、全工程を適切なクリーン度が保たれたクリーンルーム環境下で実施しています。特に、Ge(ゲルマニウム)基板は大気中の湿気により表面が劣化する恐れがあるため、保管方法にも十分な配慮を行っています。必要に応じて除湿機能を備えたデシケータ内での保管を行い、製品の品質を長期間にわたり安定して維持できる体制を整えております。

  • 赤外線利用技術の進化に、最適な光学薄膜を

    9μm帯は、赤外線検知の中核を担う波長域です。センサーの高性能化・高精度化が進む中で、「透過するべき赤外線は効率よく通し、反射やノイズを抑える」という光学設計の重要性は、今後ますます高まっていくと予想されます。

    当社では、こうしたニーズに応える高性能なAR(反射防止)コーティングを提供しており、センサー性能の最大化、製品品質の向上、そしてユーザー体験の進化に貢献してまいります。ぜひ、製品開発や装置組み込みの一環として、当社の9μm赤外線ARコーティングをご活用ください。ご相談・ご要望はいつでもお待ちしております。

用途例

各種窓材
温度計測用の観察窓・赤外線カメラの保護窓(サーモグラフィ)、真空チャンバー観察窓・レーザ用
カメラ・センサー
監視カメラ、人感センサー(ボディセンサー、人体検知)、ナイトビジョンドローン用カメラ
AGV、半導体搬送用OHTなど2D LiDAR製品、サービスロボット用センサ、スローモビリティ製品各種

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