匠の赤外線

BPF(バンドパスフィルター)
近赤外バンドパスフィルター 波長:1450nm
- 太陽光や外乱光による不要な波長が測定結果に影響を与え、正確な水分検知が難しい。
- 1450nmをシャープに透過させ、不要光は確実にカットしたいが、成膜の精度が不安
- 高温多湿な環境や、産業用途での長時間使用に耐えられる光学フィルターが必要。
- 装置への組み込みを前提に、フィルターを特定サイズ・形状で納品してほしい。
- 光が斜め入射する装置での性能低下が気になる。角度依存への対応は必須。
解決!「近赤外バンドパスフィルター 波長:1450nm」のチャート

匠のポイント
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水分量のわずかな変化が製品の品質や歩留まりを大きく左右する
水分量のわずかな変化が品質や歩留を大きく左右することは、食品、紙、繊維、化学、建材など多くの産業に共通する課題です。水分検知においては、対象が持つ光の吸収特性を活かし、特定の波長のみを選択的に透過させる「バンドパスフィルター」が不可欠です。中でも1450nmの波長は、水分が非常に強く吸収する性質を持つため、業界標準とも言える重要な検知波長です。
当社が提案する1450nmバンドパスフィルターは、不要な光をしっかりとカットし、水分測定の精度を向上させる役割を果たします。また、遮断帯域は可視域〜1250nmおよび1700〜1850nmと広範囲にわたり、不要な波長の光を確実にブロック。これにより、センサーの誤検出リスクを低減し、信号の純度を高めることが可能です。光損失も極めて少なく、光路長が長い複雑な光学系においても、入力光の質を損なわず、鮮明なデータ取得が実現できます。
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基板に最適化した設計
お客様のご要望の波長領域に合わせた設計・成膜(コーティング)が可能です。透過域のみならず、阻止域での制御や入射角も重要な要素です。基板の特性並びにお客様の要望に合わせた設計を行いますので、お問い合わせ時に、基板種や波長帯をお伝え下さい。
1450nmフィルターの性能を最大限に引き出すためには、基板材質や構造に応じた最適な成膜設計が欠かせません。当社では、ガラス・石英・サファイアなど多様な基板に対応し、それぞれの熱膨張係数や表面特性を考慮した薄膜設計を行っております。
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部品形状対応も可能
基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。
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万全の品質保証体制
成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。赤外領域の分光特性測定が可能なFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を完備。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。
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安全・安心な製品設計
当社では、人体や環境に有害な物質は一切使用しておりません。安全性にも配慮した製品設計を徹底しております。カスタム設計のバンドパスフィルターに関するご相談は、ぜひ安達新産業へ。長年の経験と実績を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。※バンドパスフィルターの選びかたガイドを見る
用途例
- 食品業界:品質と鮮度の安定化
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🧪パンや麺類などの水分量をリアルタイムに測定し、乾燥や焼成工程を最適化。
🧪果物や野菜の収穫後の含水率を管理し、鮮度保持や輸送中の品質低下を抑制。
🧪コーヒー豆や茶葉など、乾燥工程が品質を左右する製品の含水率管理にも活用。 - 建材・化学製品の製造:品質安定とクレーム低減
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🧪木材や建材の含水率を測定し、変形や割れ、反りなどのリスクを抑制。
🧪化学品や樹脂成形品の乾燥状態を検査し、製品の寸法精度や性能を安定化。 - 産業用自動検査装置・生産ライン
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🧪コンベアライン上で流れる製品に対して、非接触・リアルタイムに水分を検知。
🧪不良品の早期発見や、自動制御による工程改善に貢献。
1450nmバンドパスフィルターは、「水分が強く吸収する特性を活かす」というシンプルながらも非常に有効な技術で、食品の味や食感、紙や繊維の品質、建材や樹脂製品の寸法安定性まで、さまざまな現場の課題解決に役立っています。安達新産業では、こうした用途ごとの最適な仕様提案を通じて、お客様の製品とビジネスに確かな価値を提供しています。ぜひご相談ください!