匠のミラー

金属ミラー
アルミ増反射ミラー
- 自社の装置で使う特定の波長に合わせて設計したいが、理論値どおりの性能が実現できる?。
- 入射角度による反射率の変化が大きいのでは?
- 湿気・温度変化・粉塵など、自社の装置が置かれる環境で長期に安定するか心配。
- 装置コストを抑えたい一方で、高反射率を実現するにはコストアップになるのでは?
- 複雑な形状や小ロット対応、特殊サイズでの製作が可能かどうか分からず迷っている。
解決!「アルミ増反射ミラー」のチャート

匠のポイント
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優れた反射性能と高耐久性を両立したアルミ増反射ミラー
当社のアルミ増反射ミラーは、アルミミラー本来の特長である高い反射率をさらに引き上げるために、表面に誘電体多層膜(増反射コート)を施しています。特殊な設計と高度な成膜技術により、反射時の光量ロスを極力抑え、波長帯ごとに最適化された高反射性能を発揮します。さらに、誘電体膜を精密に積層・制御することで、単なる反射率の向上だけでなく、温度変化や湿度、化学的腐食といった外的要因にも強い耐環境性を実現。厳しい使用環境下でも長期にわたり安定した反射性能を維持し、装置やシステムの信頼性向上に貢献します。
お客様の用途や目的波長に合わせて、反射特性や膜構成を自由にカスタマイズできるのも大きな特長です。産業用機器から医療・光通信機器、自動車関連機器まで、幅広い分野でお使いいただける高性能ミラーです。
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増反射をしていないアルミミラーとの比較
① 反射率
🟦単層アルミミラー→ 可視光でおおむね88〜92%程度の反射率を持っています。
🟩アルミ増反射ミラー→ 波長帯に合わせた設計により、最大で95〜98%以上の反射率を実現可能です。特に、特定の波長帯を狙って設計することで、単層アルミミラーでは難しい高反射率を得ることができます。② 耐久性・環境耐性
🟦単層アルミミラー→ アルミニウムは空気中の酸素や水分と反応して自然酸化膜を形成します。この酸化膜は数nm程度と薄く、腐食や劣化の進行を完全には防げず、反射率の低下や変色が起きやすいです。
🟩アルミ増反射ミラー→ 誘電体多層膜によるコーティングが保護膜の役割を果たし、酸化や腐食を防止。湿度や温度変化、化学薬品などの影響にも強く、長期にわたって安定した光学性能を維持できます。③ 波長特性の制御
🟦単層アルミミラー→ 波長ごとに自然に変化する反射特性しか得られません。反射率の谷やピークを調整することはできません。
🟩アルミ増反射ミラー→ 多層膜の厚みや材質を設計することで、特定波長帯で反射率を最適化したり、入射角度による反射率変動を抑えることが可能です。④ コスト
🟦単層アルミミラー→ 製造プロセスが比較的簡単で、低コスト。耐環境性や性能よりもコスト重視の用途に適しています。
🟩アルミ増反射ミラー→ 成膜工程が増えるためコストは高くなるものの、高性能や高信頼性を要求される用途で選ばれます。 -
標準在庫品で開発をサポート
検討中のお客様に向け、すぐに評価可能な標準在庫フィルターをご用意しています。試作・検証期間の短縮、スピーディーな製品立ち上げにぜひご活用ください。
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部品対応も可能
基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。
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品質を支える測定と管理体制
全品、出荷時に反射特性を示す測定チャートを添付していますので、安心してご使用いただけます。また、成膜から検査に至る全工程を、適切なクリーン度を保ったクリーンルーム内で実施。微小な膜欠陥や異物混入を防ぐ体制を徹底しています。
用途例
- 各種装置
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FAセンサー、光計測機器、光分波器、光合波器、医療機器、
光通信機器、光ピックアップ、カメラ、自動車用HUD、各種光学機器 - 今後の展望:高機能化・高付加価値化へ
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アルミ増反射ミラーは、「高反射率」と「耐久性」を両立した高性能光学素子として、多様な分野で欠かせない存在です。そして、光学機器の高性能化・小型化・用途の広がりに伴い、その役割も進化を続けています。今後も、技術革新とともに、さらに高付加価値の製品が登場し、新しい市場を切り拓いていくことが期待されます。
① 波長ごとの最適設計ニーズの高まり
赤外線・近赤外線・可視光など、目的に応じて特定波長帯に合わせた最適設計のニーズはますます高まっています。例えば、LiDARや光通信機器、医療用センサーなど、狙った波長域での高反射が求められる用途が増えています。
② 小型・高密度化する装置への対応
近年の装置は、ますます小型化・高集積化が進んでいます。これにより、ミラーにもコンパクトでかつ形状の自由度が高い部品化ニーズが増加。基板調達から成膜、加工・カットまでを一貫対応できるメーカーの価値が高まっています。
③ 耐久性・信頼性のさらなる向上
厳しい環境下(高温・高湿・粉塵など)で長時間使用する産業用途では、耐久性・信頼性への要求は一層強まっています。誘電体多層膜の改良により、膜剥がれや劣化を抑え、メンテナンスコスト低減に貢献する開発が進んでいます。
④ 新たな応用分野の開拓
自動車分野でのHUDやLiDARだけでなく、次世代ディスプレイ、拡張現実(AR)・仮想現実(VR)デバイスなど、光を駆使する分野での需要も期待されています。
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