匠の赤外線

赤外線ロングパスフィルター(LPF)
赤外線の特定波長を透過させるロングパスフィルター
近年、赤外線技術の応用が拡大する中で、光を選択的に制御するための光学フィルターの重要性が高まっています。その中でも「ロングパスフィルター(Long Pass Filter)」は、特定の波長以上の光を透過させる機能を持ち、多様な産業で不可欠な存在となっています。その高精度な性能は、今後の赤外線技術の進化とともに、ますます注目を集めていくことが予想されます。安達新産業では、用途に合わせた最適なロングパスフィルターをカスタム設計し、お客様の光学設計をトータルで支援いたします。お困りの点がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
ロングパスフィルターとは?
ロングパスフィルターとは、特定の波長(カットオン波長)よりも短い波長の光を遮断し、それより長い波長の光を透過させる光学フィルターです。多層の誘電体薄膜を基板上に成膜し、光の干渉作用を利用して、波長ごとの透過・反射を制御しています。
▼ 基本構造と動作原理
✅誘電体薄膜の多層構造によって、干渉により特定の波長を反射
✅設計されたカットオン波長を境に透過と遮断を切り替え
✅フィルターの特性は、膜厚・屈折率・膜数などにより精密に調整可能
当社では長年の実績に基づき、この干渉型の構造を採用することで高い透過率と急峻なエッジ特性(遮断→透過の切り替えの鋭さ)を両立させることが可能です。
安達新産業のロングパスフィルターの特徴
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優れた赤外線透過特性と急峻なエッジ特性の両立
独自の多層膜設計により、近赤外〜遠赤外に至るまで高い透過率とリップルの少なさを実現。赤外線利用機器に最適です。高度な成膜制御技術により、透過域と阻止域の明瞭な切り分けが可能。急峻な立ち上がりを持つエッジ特性で、高い選択性を発揮します。
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ご要望の波長帯での設計・カスタマイズが可能
ご使用の基板材質や特性を考慮した光学設計により、フィルター性能を最大限に引き出します。材料特性を活かした設計で、効率的かつ高精度な成膜を実現します。透過させたい波長域や、遮断したい領域など、ご要望に合わせたカスタム設計・製造に対応します。波長帯・基板種・入射角をお知らせください。
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部品形状への対応も可能
基板調達から成膜までの一貫対応に加え、ご要望の形状へのカット・部品化にも対応可能です。形状指定の場合は、詳細図面のご提供をお願いしております。
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万全の品質保証
成膜から検査・梱包まで、すべての工程を必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内で実施。膜中異物や微少欠陥への対策も万全です。赤外領域の分光特性測定が可能なFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を完備。すべての製品に対し、分光特性チャートを添付して出荷いたしますので、安心してご利用いただけます。
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想定される応用用途は?
- 赤外線分析装置・分光器
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不要な短波長光を遮断し、目的の赤外波長だけを通す
- 医療機器(非接触温度計・診断用赤外装置など)
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生体反応や熱放射を正確に測定するための波長選別
- 産業用FAセンサ・光電センサ
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背景光の影響を除去し、検知精度を向上
- ホームエレクトロニクス・美容機器
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赤外線による温熱効果や保湿・美容用照射のための波長制御
近年では、車載赤外線センシング、スマートホーム、ウェアラブル端末といった新しい用途でも注目されています。
ご提案ラインナップ

用途の広がりは無限大!たのしみですね。