匠の光学薄膜

匠の光学薄膜
光学薄膜とは?
光学薄膜とは、光の波としての性質――すなわち干渉や反射、透過などの波動的特性を巧みに利用して、特定の波長の光を選択的に反射・透過・吸収・分離させる機能を持たせた薄膜の総称です。反射防止(AR)やバンドパス、カットフィルター、ビームスプリッター、ミラーなど、さまざまな用途に応じて設計され、現代の光学技術に欠かせない存在となっています。※光学薄膜とは?基礎解説のページ
その構造は、目的や性能要件に応じて単層または多層で構成されます。特に多層膜の場合、屈折率の異なる無機誘電体材料(例:TiO₂、SiO₂、Ta₂O₅など)をナノレベルの精度で積層し、ガラスや樹脂などの光学基板上に成膜します。膜厚や材料組み合わせを干渉原理に基づいて最適化することで、所望の波長に対する光学特性(透過率・反射率・吸収率など)を精密に制御します。また、設計手法の違いによって、以下のようなさまざまな機能を実現できます。
★特定波長の光のみを透過/反射させる(バンドパスフィルター/バンドストップフィルター)
★光の強度を調整する(NDフィルター、ハーフミラー)
★光を波長ごとに分離する(ダイクロイックミラー、ビームスプリッター)
★光の進行方向を変える(反射ミラー、分光プリズムとの併用)
これらの光学薄膜は、デジタルカメラ、医療用機器、半導体露光装置、通信機器、計測器、ディスプレイ、AR/VRなど、多様な分野で活用されています。近年では高性能化だけでなく、小型化・耐環境性・広帯域化・低偏光依存性といった応用要求の高度化にも対応するため、設計技術と成膜プロセスの両面で進化が続いています。
安達新産業「光学薄膜」製品の特徴
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高い透過率、反射率を実現
光の干渉を利用していますので、光の散乱や吸収による損失を極めて低く抑えることが可能です。その結果、透過域において高い透過率、反射域において高い反射率を得ることが可能です。
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製品の安定性
無機誘電体材料を使用しているため、永年にわたって質的変化がないことや有機系溶剤に対して安定であることが特徴です。また、各種アシスト機構を用いて緻密な成膜が可能ですので、経時的な波長シフトはもちろん、煮沸試験・耐熱試験や各種環境試験(実験結果の詳細を確認できます)においても、波長のシフトは認められません(シフト量: 1nm以下)。
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各種基板への成膜
光学薄膜を形成する基材(基板)は、一般的に光学ガラスを用いますが、当社は低温での成膜に豊富な経験・生産実績を持ち、各種プラスチック基板や、各種レジスト・UV硬化樹脂塗布基板、SiやGe基板などへの成膜に対応いたしております。
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作業環境について
膜の設計から製作、検査、出荷まで蒸着装置、超音波洗浄機、分光光度計、電子顕微鏡等最新鋭の装置を駆使してお客様のあらゆるご要望にお応えできる万全の体制を敷いています。また、作業環境は成膜から検査まで、それぞれ必要なクリーン度を維持したクリーンルーム内作業となっており、微少膜欠陥(膜中異物等)に対しても万全の体制をとっております。
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製品としてトータルにカバー
当社では単に成膜に限定せず、付随する形状加工から、ご要望の仕様に応じ光学薄膜の設計から成膜プロセス、製品形状チップ加工までトータルに対応致します。
ご提案ラインナップ

用途の広がりは無限大!たのしみですね。